「なんということでしょう」というフレーズが人気となったり、
リフォームブームの先駆けとなった、
テレビ朝日系列(大阪・朝日放送制作)の「劇的!ビフォーアフター」が、
3月いっぱいで終了することになった。
あの手の番組にしては2年以上も継続した人気を保ち、
最近でも安定して10%以上と、
比較的出来のいい番組なのにもかかわらずなぜ?
それには3つの理由がある。
ひとつは、テレ朝の本気。
「ビフォーアフター」の視聴率は平均10~12%。
出来はいいとはいえ、
さすがにスタート当初の15%越えは今後見込めず、
視聴率トップを目指す今のテレビ朝日系の看板としては役不足に映る。
「もっと数字を取れる番組を!」という意識があるのだろう。
ふたつめは耐震強度偽装問題。
この番組が耐震偽装しているということではない。
テレ朝関係者から聴いた話によると、
世間の意識がマンションだけでなく、
一戸建ての耐震問題へと拡大しつつある現状で、
制作の大阪・朝日放送が番組継続は難しいと判断した、とのこと。
以前から耐震性に疑問の声も報じられていたこともあって、
よく言えばそれに配慮しての、
悪く言えば耐えられなくなっての終了決定ということだろう。
最後に、耐震偽装問題にすっかり覆い隠された格好のアスベスト問題。
この番組の性質上、古い民家を再生することが多い。
古い民家には、アスベストが使われていることが多いのだ。
視聴者に直接関係はないが、
アスベストが漂う解体シーンを流したり、
作業する方々を危険にさらすことの問題、
その民家の周囲への影響などを考慮して、ということだ。
1時代とまではいかないが、
ブームの牽引車ともなった番組が終わるのは少々寂しいが、
番組改編とはそういうものだ。
しかも、さらに上を目指すテレ朝系にとって、
そこそこの安住を維持することは意味がないのだろう。
でも、上を見すぎて足をすくわれそうな危うさを抱えてはいるんだけど。
また、テレ朝・朝日放送には、
4月からの金曜21:00の共同制作新ドラマ枠のこともある。
〝攻め〟の姿勢で挑むこの4月改編は、
2006年の視聴率争いの結果を大きく左右することになりそうだ。