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放送局の裏の裏。



【マスコミ就職活動】内定辞退の苦しい現実3

「今後、お前のところの大学からは今後一切取らんぞ!」

かっちーん。
なんだコイツラ。
思わず頭に血が上った。

「ちょっとそれおかしいんじゃないですか?」

「なんだと、お前!」

右に座ってた若手が俺の胸座を掴んだ。
俺も負けずにその手を振り払う。
一発食らうかと覚悟したけど、
そこは人事局長の言葉が間に入った。

「なにがおかしいのか言ってみなさい。」

俺は腹立ちが収まらず、一気にまくし立てた。
俺があなたたちに対して謝罪すべきことをしたのはわかる。
だから謝りにきてるんだし、俺に何を言ってくれてもかまわない。
でも、それと大学は関係ない。
後輩がどうなのかを俺で判断するなんてありえないでしょ。
そんな脅迫をするなんて、
卑怯だと思いませんか、と。

それを聞いたエライサンが、
顔を真っ赤にしながら口を開きかけたその時、
再び人事局長が言った。

「そのとおりだな。すまん。
大学の件は忘れてくれ。」

一同、沈黙。
重いヒトコトだった。
この局長はすごい人物だと思う。
自分の上司の言葉を否定する俺の言い分を、
論理が通っているからと認めたのだ。
上司の顔色を伺うような人では、こうはいかない。
この会社は、一部のこういう人でもっているんだろうなと思った。

それからエライサンはぷいっと帰ってしまい、
話は急激に収束した。
キミ一人の採用にこれだけのコストがかかってるんだよ、
などと説教はされたけど、
結局局長は俺の考えを尊重してくれた。

いま考えると、
局長はきっと、俺の「ウソ」を見抜いていたんだと思う。
それも含めて俺の夢を理解してくれて、
しぶしぶながら認めてくれたんだろう。

この日、大好きな寿司を一口も食べることはなかった。
だけど、自分の主張を認めてもらえた満足感と、
放送局に行けるという安堵感で、
胸はいっぱいになっていた。

ただ、内定を辞退するということが、
いかに重いことなのかを思い知らされ、
素直に喜べない自分がいた。
by drive-2-iko | 2005-12-31 13:30 | 就職活動
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社会人7年目。放送局に勤務する日常をつづります。

by drive-2-iko
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